こんにちは。シンキングリード株式会社CTOの松田です。
当社は「ビジネスをもっとスマートに」を掲げてITサービスを提供しているため、デジタルトランスフォーメーション(DX)とも関係があります。そこでありきたりな内容ですが、私の考えを書きたいと思います。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?
まずはwikiを見てみましょう。
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation; DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる [1] 。ビジネス用語としては定義・解釈が多義的ではあるものの、おおむね「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」[2]という意味合いで用いられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
そうそう、これです。
「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」
これは私の考えと同じです。
もう一方では、IT系の営業さんが言っていること
私が聞く限りですので、あまり広くありませんが・・・
「御社もDXの取り組みをやりましょうよ!」
⇒ 「〇〇の導入によって作業が効率化されます」
⇒ 「〇〇を使えば、〇〇部署の人数を減らせます」
⇒ 「紙ではなくデジタル化して全員で共有しましょう」
踏まえてwikiに戻ると・・・
「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」
と書いてあります。
先ほど列挙したものは目的を達成させるための過程の一部であって「事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」気がしません。
何かツールを入れただけで、売上/利益にどれほど影響するのでしょうか。それが大きな影響を与えるケースも多々あると思いますが、目的と効果をどのくらい話されているのか気になるところです。
どんな変化が起これば、DXの取り組みが成功したと言えるのか
例えば、以下の例のようなケースが成功したと言えると思います。
- B2Bのビジネスを展開していたが、ECサイトと入出庫の自動化によってB2Cのビジネス展開も出来るようになり売上が大幅に増加した(事業の拡大)
- 物販ではなくレンタル+IoTを組み合わせたサービス業に転換して、安定した売り上げが確保できるようになった(事業な転換)
- お客様情報の管理方法を変えて、お客様同士の取引に貢献することで新しい収益を得られるようになった(事業の拡大)
- 完全にクローズドな業界であったが、新たなシステムを構築することで今まで関係なかった企業の参入を容易にし、広く取引を可能にすることで、元締めとしての地位と大幅な収益を得た(事業の転換)
挙げた例がぼかした書き方なので、なんだかチープな響きとなってしまいましたが、自社のビジネスモデルが転換してしまうほど大きな変化を起こしていると成功したと言えます。「根底から変化させる」のですから、単純にちょっと手間が減ったとか、ちょっと売上が増えたではありません。
成功例に共通して言えるのは、何かツールを作ったり入れただけでは実現されることはなかったと思います。必ず業務内容を変えています。業務内容とITの仕組みの両方を変えて、新しい価値を生み出してこそ、DXの成功と言えると思います。
DXはどうやって実現するのか
正直、DXを推進するのは経営側以外はあり得ません。何故ならばビジネスモデルの転換を伴うこともありますし、現在の売上利益を支えているビジネスと鉢合わせをしてしまい、過渡期は減収減益になるかもしれません。大きな判断をしてDXを推進するのは経営側でしかできないことです。
これを現場任せにしてしまうと、安易なツールの導入に終始し、すぐに効果が出ないと取り組みを諦めてしまうかもしれません。
また、単なるサービスやツール導入にならないように現場のあるべき論は最後にすべきです。まずは経営側で自社のビジネスのあるべき姿を再定義し、そこから現場のあるべき姿に落とし込む必要があります。そこでITツールやサービスが必要であれば利用し、結果としてDXを実現したという形になるのではないでしょうか。